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映画

【映画】ファミリアを観ました

2023年上映された邦画、『ファミリア』を観ました。

ネタバレも含む所感なので、未視聴かつ興味のある方は視聴をオススメします!

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映画『ファミリア』のあらすじ

ファミリア

陶器職人の神谷誠治は妻を早くに亡くし、山里で独り暮らし。アルジェリアに赴任中の一人息子の学が、難民出身のナディアと結婚し、彼女を連れて一時帰国した。結婚を機に会社を辞め、焼き物を継ぐと宣言した学に反対する誠治。一方、隣町の団地に住む在日ブラジル人青年のマルコスは半グレに追われたときに助けてくれた誠治に亡き父の面影を重ね、焼き物の仕事に興味を持つ。そんなある日、アルジェリアに戻った学とナディアを悲劇が襲い……。(公式サイトから引用)

映画『ファミリア』を視聴した感想

日本と外国、外国人との関係、問題

本作では外国、そして外国人と日本人との関係が多種にわたって描かれます。

在日ブラジル人や、外国で働く主人公の息子、そしてその婚約者である難民出身の方。外国で起きるテロ問題やそれに対する日本、各国の対応。

2024年現在、日本でも難民移民の受け入れに関連する政府や自治体の対応、また移民として受け入れた外国人が引き起こす問題。

この映画では移民と日本人、両者の問題を映し出しています。

在日の方が半グレのシノギからかすめたり、そもそも半グレに狙われる原因となった、半グレリーダーの妻と娘を巻き込む事故。

日本側では在日外国人への低賃金での肉体労働(団地に住んでいる、大勢の家族を養う必要があることで、裕福な暮らしではない)、不当な解雇。

映画ではそれぞれの要因が描かれていますが、現実の問題へ目を向けるとどちらの側に立って感情移入するかでも印象が変わってきます。

そもそも半グレも、そこからかすめる、夜通し飲み明かして事故を起こすなどもってのほかですが。

また、陶芸職人、誠治の息子、学がアルジェリア赴任中にテロに合い亡くなるなど、国外での日本人が巻き込まれる事件も映画に含まれています。

さまざまな国際的な問題を一つの映画にまとめ上げていますが、複数の事象を認知できる映画として見ればとっかかりとしてはいいように思います。(多少盛り込みすぎ感はあります)

タイトルの『ファミリア』

とはいえ、タイトルの『ファミリア』の通り、「誠治の家族」「学がこれから築く家族」「在日ブラジル人のマルコスが夢みる家族」「半グレリーダーの家族」というように、さまざまな家族像を外国諸問題を交えて描いている点。

さまざまな問題をごったに取り入れながらそれぞれの家族像を描いているのは面白い点でした。

誠治のまだ思うような父親像を持てないまま、でもテロに巻き込まれた時には真っ先にお金をかき集めて国会議事堂まで車を走らせ、息子とその妻をなんとしても助けたいと無茶でも自分にできることを全うしようとする姿は心を打たれました(役所広司の鬼気迫る演技は毎度打たれる)

また学が難民の妻を思い、そして父を喜ばせたいと地元に戻る決心をし父に伝える姿や、マルコスが一度夢を聞かれたときは言えなかったが、胸の中に密かに抱く、同じ在日ブラジル人女性を幸せにしたいという思い。

半グレリーダーの、在日ブラジル人が引き起こした事故で妻と娘を失い、行き場のない憎しみを同族に向けてしまう姿。
これは物語後半で宝物のように思っていた家族、という表現もあるし、小道具である娘が登園時に持っていたであろう水筒を常に携帯する演出からも見られる。

自分も家族を養う身で、子供が安全で豊かに暮らせるように日々思っていて、本作からもその家族愛を感じられたように思います。

半グレの恐ろしさ

今現在、暴対法や暴排条例でヤクザの社会に対する影響力が弱まる中、それらを掻い潜るように半グレという集団が非道な行いをしています。

映画でも人身売買や麻薬密売などの犯罪行為を行なっており、外国人が巻き込まれるケースも描かれています。

個人的に社会問題を調べることが多いのですが、基本日本人に向けた犯罪行為のみを調べていたのもあり、外国人が巻き込まれるケースをフィクションとはいえ知れたのはよかったなと思います。

結局はその手の組織に狙われるのは弱者であり、そこに人種は関係ない。

映画では現実の通り悪として描きつつ、それでも同じ人間で家族を想う組織のTOPとしての存在感も表現されていたりします。

キャスティングの説得力と安心感

主人公、誠治を演じる役所広司、『孤狼の血』や『すばらしき世界』などアウトローな役を演じることが最近は多い印象で、本作も過去に何かありげな役でした。

穏やかで物静か、一方息子の危機をなんとかすべく立ち上がった時の激しさ、両面の演じ方がとても引き込まれました。

在日ブラジル人のマルコスを演じるサガエルカスは端正な顔立ちで、個人的にBADHOPのあの2人を思わせる(基本ボコられて顔が腫れまくっていましたが)。

ワントーンではないチェックのシャツやダメージ加工ジーンズ、adidasのトレフォイルなど、大変イメージしやすいビジュアルでした。

そして半グレリーダーのMIYAVI、口数は少ない役ですが存在感が強烈で、今や家族をもち、各国の親善大使を勤める彼がこの役を演じるために、ただの悪役ではなくブラジル人を敵対視するための動機を監督に提案したのも納得。

10数年前はビジュアル系アーティストとして曲を出していたMIYAVI、当時もめちゃくちゃかっこよかったですが、役者としてスクリーンで観られるとは思ってもいませんでした。

問題視される移民、国際問題テーマ

移民の方への優遇措置、外国人とのトラブルもメディアでよく見かけるようになった日本。

そんな中で、お互いの立場で主観となって考えられるような映画でした。

日本人、外国人と双方分かり合えるような世の中を願いつつ、現実も見つめ直していこうと思います。

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