もくじ
2024年上映された邦画、『マッチング』を観ました。
ネタバレも含む所感なので、未視聴かつ興味のある方は視聴をオススメします!
映画『マッチング』のあらすじ
ウェディングプランナーとして仕事が充実している一方、恋愛に奥手な輪花(土屋太鳳)は、同僚の尚美(片山萌美)の後押しでマッチングアプリに登録をすることに。勇気を出して一歩踏み出し、デートに臨んだ輪花だったが、現れたのはプロフィールとは別人のように暗い男・吐夢(佐久間大介)だった。その後も執拗にメッセージを繰り返し送る吐夢に恐怖を感じた輪花は、取引先でマッチングアプリ運営会社のプログラマー影山(金子ノブアキ)に助けを求めることに。しかし時を同じくして”アプリ婚”した夫婦が惨殺される事件が連続して発生。被害者たちが輪花の勤める結婚式場で式を挙げていることが判明するのだったー。(AmazonPrimeVideoより引用)
映画『マッチング』を視聴した感想
感想、の前に、自分は小説版の原作を読んでおらず、単純に映画を観た内容で記載してます。
マッチングサービスを主軸にしたサスペンス映画
本作はウェディングプランナーの主人公、輪花がマッチングアプリで出会った夫婦に起こる事件、に巻き込まれながらさらに自分を中心にした事件に発展していくストーリー。
そもそも一連の事件に巻き込まれていくのが25年前、1990年後半(本作の時間軸、登場人物のスマホを観るにiphone13,14あたりっぽいため)に父親がインターネットが普及し始め、出会い系チャットで知り合った不倫相手とのいざこざが原因になっています。
当時は結婚相手を探すという表向き綺麗な理由で成り立っていないであろう出会い系サイトでのいざこざ、そして劇中ではマッチングアプリ自体でのいざこざは無いにしても、結末的には輪花がよろしくない相手とマッチングしてしまうという時代を超えて良くない結果になってしまう親子、みたいな感じに。
金子ノブアキ演じる影山が「人は誰でも別の顔を持っている」的な台詞を言ってましたがマッチングする人同士もお互いの知り得ない側面を知らずして恋愛をする性質を表していそうです。
比較的序盤から演出されるミスリード
怪しげな雰囲気で登場する、佐久間大介(SnowMan)演じるトム、マッチングアプリWillWill運営プログラマーで人の良さそうな影山。
この段階で見た目通りの結末にはならないだろうなとは思いつつ、比較的早い段階でミスリード、そしてそれを解消する表現が出てきていました。
一際目立つのが下記のシーン。
影山の同僚が社内で輪花とトムのやりとりの履歴を盗み見ている → やりとりの閲覧や改ざんが可能なことを示唆
→トムとのやり取りで、「ハッキングされているかも」のコメントからWillWill内部の者の可能性。
実際運営であれば利用者のアカウントでメッセージを偽装することもできるでしょうし、そういった本筋以外の怖さを表現しているのも面白いです。
2人の殺人犯の動機は?
輪花がマッチングアプリで知り合ったトム、そしてWillWillの影山。
結末では2人とも作中で複数の殺人を行なった犯人です。
まず影山は輪花に対して話した通り、輪花が愛した人、そして親しい人を殺害しています。これは影山が愛する母、が輪花の父に向けた報われなかった思いで苦しんだ報復。
一方トムの動機が作中で明確に描かれていないように思います。
トムは「不運な星の元に生まれてきた」「コインロッカーに捨てられた」、そしてストーカー気質で個人情報の収集が得意。
おそらく母の身元、そして自分がどういう出自でどういう経緯で捨てられたかも把握しているはず。
殺害した夫婦は手を握り合った状態で鎖で繋がれ、顔には十字の切り傷状態で発見されることから、単純に見ると「マッチングアプリで出会っても死ぬまで側を離れず添い遂げろよ」というメッセージにも読み取れます。
原作ではトムの殺害動機や性格が具体的に描かれているようですが、映画では削ぎ落とされているため上記の見方もできるのではないでしょうか。
レビューでよく見かける捜査の至らなさ
映画を観た後、他の視聴者の方のレビューをよく観たりするのですが、「ここまでの事件で犯人に接触までしているのに警察が証拠を見つけられないなんてことある?」という趣旨の書き込みをよく見かけました。
自分も映画を観ながらそんなことを思ったりしましたが、まぁこれに関しては早々に犯人逮捕になるとストーリーも続かないので致し方ないかなという印象です。
最後までトムを犯人と断定するところまで描かないことで、物語が終わった後、輪花とトムがそのまま結婚まで至るのか、輪花が殺害されてしまうのか、またはトムが逮捕されてしまうのか、の想像ができるので、ある意味物語を描いた後まで視聴者の脳内で続けさせる仕組みになっているかなと思います。
おそらくトムの性質上、マッチングアプリでの殺害は続けるでしょうし、そういった恐ろしい余韻までも表現されている気がしています。
マッチングアプリの利用も慎重に
自分はもう使う機会がなさそうなサービスですが笑
一部都市伝説系の話では、マッチングアプリで出会った相手に殺されそうになった話も聞きます。
とはいえ友人がマッチングアプリで結婚まで至っていたりもするので適切に利用する上ではかなり良いのではないでしょうか。
映画のような大胆なケースはないと思いたいですが、ちょっと利用を慎重になってしまうような映画でした(使わないですが)
ともあれ、佐久間大介かっこいいのでおすすめです。
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